家族が亡くなった時の手続きについて

子どもが生まれる時期は前もってわかりますから、あらかじめ準備ができます。しかし、家族の死亡は予期できない場合がありますから、何をしたらよいかわからず、慌てる人が多いはずです。そこで、家族が亡くなった時にどのような手続きが必要か、父親が亡くなったという想定で順を追って説明します。

死亡と手続き

父親が危篤になると、医師から「近親者を呼んでください」と告げられます。付き添っている人は、母親、子ども、兄弟などの順に連絡を取ります。そして、医師が立ち会い、父親の死亡時刻を確認します。これは、後で遺族に渡す「死亡診断書」に必要だからです。

なお、自宅で死亡した際に医師が臨席していなかった場合、かかりつけの医師を呼んで、死亡を確認してもらいます。それまでは、勝手に遺体を動かすことはできません。なお、家族は死亡時刻を控えて置き、医師に伝えます。

かかりつけの医師がいない場合は、警察に連絡します。これは、死亡に事件性があるか否かを警察医に判断してもらうためです。もし事件性がなく病死であれば、警察医が「死体検案書」を作成します。この「死体検案書」は「死亡診断書」と同じ内容です。

お通夜、告別式の準備

遺族は葬儀社に、亡くなった人の氏名・生年月日、死亡日・死亡時刻、場所(病院、自宅など)、喪主になる人の氏名、電話番号を連絡します。その後、葬儀社の担当者が打ち合わせに来ますので、喪主はもちろん、同席できる近親者で葬儀のスタイルを決めます。

まず、お通夜と告別式(葬儀)の日時と場所を決めます。この時、僧侶のスケジュールと併せるために、その場でお寺に電話をして、日時、場所(お通夜、告別式)を告げます。

お通夜、告別式の日時が決まったら、遺影の写真、お棺、花などを喪主、近親者で相談しながら、決めていきます。詳細が決まったら、葬儀社の担当者が、見積書を提示しますので、金額と支払日を確認します。

その後、お通夜、告別式に参列する人に連絡をします。ただ、一人一人に連絡すると時間がかかりますので、父方の親戚の中心となる人、母方の親戚の中心となる人に連絡をして、その人から他の親戚へ連絡をしてもらいましょう。また、故人、喪主、子どもが会社に勤めている場合には、直属の上司か、総務課に連絡をします。

お通夜、告別式にかかる費用は、主に香典で精算することになります。ただ、不足分があるかもしれませんから、あらかじめ預金を引き出すなどして、準備しておきます。

また、「死亡診断書」あるいは「死体検案書」を持って、市区町村役場に「死亡届」を出す必要があります。その際に、「火葬許可証」を発行してもらいます。

なお、死亡届は、死亡した日から14日以内に届け出ることが、義務付けられています。提出者は法律で、故人の親族、同居人、家主・管理人などの順位が定められています。また、状況に応じて、友人・知人、葬儀社が代行しても構わないとされています。

お通夜

お通夜は喪主が主催し、弔問客を迎える儀式です。

昔は町内、隣近所の人に、通夜を進行する人、受付、弔問客を案内する人をお願いしていましたが、最近は隣近所の付き合いが希薄なっていますから、葬儀社の方で手配をしてくれます。ただし、香典を預かる受付だけは、親戚などの信頼できる人にお願いしましょう。

式場での配置は、祭壇に向かって右側に喪主、遺族、近親者が着席し、左側には、弔問客が着席します。弔問客側は、特に席順は決まっていませんが、遺族側は故人と親しい順(妻などの喪主、子ども、兄弟、親戚)に着席します。

仏式のお通夜は、以下のように進行します。

まず、僧侶が入場し、読経でお通夜が始まります。読経は、30~40分程度で、その間は一同静かに耳を傾けます。

読経が終わると、僧侶が焼香を行い、それに続いて遺族が焼香します。順番は、喪主を先頭に、遺族の席の前から順に祭壇に歩み寄り、焼香します。

遺族が終わったら、弔問客も前の席から順番に祭壇に歩み寄り、焼香を行います。この時、弔問客が焼香の前後で、遺族に黙礼をしますので、遺族も座ったままで黙礼します。

なお、時間の都合で読経に最中に焼香を始めることもあります。また、式場が狭い場合など、弔問客が座ったままで焼香を行う「回し香」を行う場合もあります。

遺族、弔問客の焼香が全て終われば、僧侶がお通夜の終わりを告げて、退席します。これでお通夜が終了します。

その後、喪主、遺族は出口に立ち、弔問客をお見送りします。その際に、お見送りをする喪主・遺族以外の遺族で、通夜ぶるまいの席に案内します。

お通夜の終了後、喪主・遺族は、受付から香典を受け取ります。

告別式(葬儀)

本来、葬儀は、故人を無事に成仏させるための儀式で、遺族と近親者のみで営まわれるものです。また、告別式は葬儀の後、故人の友人、知人などが成仏した故人に別れを告げる儀式です。

ただ最近では、葬儀と告別式を続けて行うことが多くなり、葬儀にも一般の会葬者が参列するようになりました。ですから、最近は、葬儀と告別式をひとくくりした「葬式」が一般的です。

式場での配置は、お通夜と同じで、祭壇に向かって右側に喪主、遺族、近親者、左側に弔問客が着席します。

仏式の葬儀は、以下のように進行します。

司会者が「ただいまより、○○寺ご住職の導師によりまして、故△△△△殿の葬儀・告別式を執り行います」と開会の辞を述べます。そして、僧侶による読経(30~40分程度)の後、弔辞、弔電が披露されます。

司会者から名前を呼ばれた人は前に進み、弔辞を読みます。読み終えた弔辞は司会者に渡し、霊前に供えます。弔辞の後は、司会者が弔電を披露します。

その後、二度目の読経が始まり、その間に、親族、弔問客の順に焼香します。焼香の順番は、お通夜と同様です。

焼香と読経が終わったら、僧侶から死者の霊が成仏するよう言葉をたむけ、締めくくります。そして、僧侶が退場し、葬儀・告別式が終了します。

この後は、ご遺体を納めた棺を霊柩車に乗せ、遺族・近親者が付き添い、火葬場に向かいます。これが出棺です。

葬儀・告別式から数日後に、葬儀社から請求書が送ってきますので、金額を確認して、持参、あるいは振り込みによって支払います。

またお布施は、僧侶に葬儀・告別式の後で、「戒名料」と併せて支払います。ただ、金額については「お志でけっこうです」と言われる場合が多いので、あらかじめ親戚、年配者などの周りに人に聞いて、失礼にならない金額を用意しておきましょう。