海外不動産保有者必見 相続発生時の手続きについて

 

国際社会が進み、海外で暮らす人、仕事をする人、移住した人が一昔前と比較し増えてきています。永住や仕事の都合で海外の不動産を保持している人も少なくないのではないでしょうか。また、不動産だけに問わず、海外の銀行に口座開設を行い貯蓄や投資を行なっている人も多いでしょう。そうなるとこれらの資産が相続となった場合、どの様な手続きを行うか把握しておくことも大事です。

そもそも相続税の納税義務者には大きく分類し、無制限納税義務者、、制限納税義務者、特定納税義務者の3種類があります。相続発生時に対象者の住所が国内なのか、海外なのか等により分類されていきます。

今回は「海外不動産保有者必見 相続発生時の手続きについて」というテーマで、制限納税義務者と無制限納税義務者が相続になったときの流れを紹介します。

 

海外の相続対象は義務者種別で納税が異なる

 

海外不動産投資や海外預金を行う人が増えており、その妻や子供が海外の財産相続することになるケースも並行して増えています。海外の財産相続はどういう流れになるのか、しっかりと理解しておく必要があります。

まずは相続の種類を確認する必要があります。海外の資産を相続する場合、大きく分けて「制限納税義務者」、「無制限納税義務者」であるかを確認しましょう。

 

「制限納税義務者」とは

 

制限納税義務者とは、相続が発生したタイミングおよび発生時から遡り、5年以内に日本国内に住居がいない人を言います。海外に5年間住んでいても日本に住所がある場合は制限納税義務者になりません。
また、国籍の制限がないため被相続人が外国籍の場合も、相続税の対象となります。

制限納税義務者の課税対象は、国内で保有している財産全てとなり、海外の財産は課税対象となりません。

 



 

「無制限納税義務者」とは

 

無制限納税義務者とは、海外に住んでいながらも日本に住所が置いたままの人や、日本に居住している人となります。
この場合は、日本国内に保有している財産、海外に保有している財産の全てが課税対象となります。

 

無制限納税義務者の納税の流れ

 

無制限納税義務者の場合、国外の財産についても相続税の対象となります。例えば日本に相続財産が現金5千万円、不動産5千万円、海外に5千万円の現金があるとします。この場合、トータルの相続は1億5千円となり基礎控除分を除いた額を相続税として納税する義務があります。

海外現地での相続対応にも気をつけなければなりません。海外現地で相続税がかからない国もあれば相続税がかかる国もあります。東南アジアタイでは日本人移住者も増えており不動産投資をする日本人が年々増加しています。タイの不動産を相続する場合には、タイと日本の両方に相続税を納めなければなりません。

タイなど海外不動産については評価額が実勢価格となっており、日本の路線価よりも割高な評価額となることが大半となります。新興国は経済成長が続いていることから地価や物価も上昇しており、不動産についても購入時より高値で取引されているケースが多いのです。この点も含めて相続対応しておく必要があります。

海外不動産の相続は相続税の面で見ると不利な点が多いため、相続が発生する前に売却してしまう方が良い場合が多いです。

 

制限納税義務者の納税の流れ

 

制限納税義務者の場合、海外の財産については相続税の対象となりません。ただし日本の預金や不動産は通常通り相続税の対象となるので注意が必要です。日本の預金や不動産は日本の法律に従って通例通り納税しなくてはいけません。海外に移住しても日本の不動産をそのままにしていたり、銀行に預金しているケースはあるかと思います。こちらについては相続税の対象となるので注意が必要です。

制限納税義務者で日本に財産がある場合、早めに処理して海外現地に移すなど対応しておくのがいいでしょう。

 

1番の難題は海外現地での処理

 

相続の際の納税ですが1番の難題は海外現地での処理です。現金の場合は引き下ろし、不動産の場合は名義変更等を行わなくてはいけません。そしてさらにその国の法律に従って相続税を納税する必要があります。相続税については日本と規定が異なるケースも多いため、対象の国ごとに処理方法を確認する必要があります。なお、数としては少ないですが相続税がない国も存在します。

上記の確認や手続きも相当な労力がかかることが予想されます。まず言語が違います。英語であれば何とかなる人もいるかもしれませんが、現地語で対応しなければならない場合は一苦労です。

海外で貯金や株式所有、不動産所有をする場合、特に相続時の対策は事前にしておくことをおすすめします。相続が発生する前に処分する予定であっても何が起きるか分かりません。残された相続人の為にもやっておいてほしいポイントです。

相続人が海外の財産把握もしやすいよう整理しておくことが大事です。

 

最期に

 

今回は制限納税義務者と無制限納税義務者について紹介してきました。近年海外の不動産所有や預金が急増しています。相続についても事前に対応しておくことが大事です。

相続した場合、メリットが大きい選択ができるよう事前に調べておきましょう。