海外不動産 路線価なしでどう評価するか

投資や住居などの目的で海外不動産を購入するケースが増えています。資産の分散や将来老後は海外で暮らそうと計画中の方もいるでしょう。そうなると海外不動産の相続についても考えておく必要があります。
そもそも海外不動産については路線価がありません。ではどの様に不動産評価を算出するのか確認が必要です。
今回は「海外不動産 路線価なしでどう評価するか」というテーマで紹介します。

海外不動産は実勢価格で評価する

不動産相続の際、不動産評定額に基づき相続税が決まります。日本の不動産は路線価が基準となり路線価に基づいて不動産評定額を算出します。路線価の場合、実際の取引価格の7割前後であることが多く節税効果も期待できます。

例えば1億円を現金で持っている人と1億円相当の不動産を所有している人がいるとします。1億円の現金は1億円という評価のまま課税となります。1億円相当の不動産を所有している人は路線価での評価となると7千万円前後という評価がされます。1億円と7千万円なら7千万円の方が税金の対象額が少なくなります。こうしたことから相続対策としてあらかじめ財産を不動産に置き換える事が一般的な方法としてあります。

では海外不動産についてはどうかというと海外不動産の場合、実勢価格が基準となります。実勢価格は実際に取引されている価格です。

海外不動産投資は利回りが高いところを基準に投資するケースが基本です。最近では東南アジア新興国を中心とした投資が大変増えています。アジア各国は経済成長も著しくGDPは年平均5.5%で成長しており、地価についても年々上昇しています。特に都市部の地価上昇は激しく家賃等にも反映されています。毎年家賃値上げという地域もあります。

こうした場所に不動産を所有している人は購入時よりも不動産価値が上がっていることも多く相続税の対象もかなり多くなるケースがあります。

実勢価格の試算はどの様に行うのか

実勢価格の試算ですが業者に依頼した場合も各業者で金額が異なる可能性は十分あります。そもそも不動産は時価であり相場目安はありますが誤差が出るのは当然です。路線価での不動産価格算出ではあらかじめ計算の仕方が決まっており同じ価格で算出されるのに対し、実勢価格は非常に不安定なものでもあります。

特に海外では現地の状況と不動産価値によって価格は異なります。A社が2000万円と判断してもB社は4000万円と判断するかもしれません。

不動産が売れない場合、不動産価格を下げるのが一般的です。このように不動産価格はあいまいの上に成り立っています。取引は時価でありその時のタイミングや運によっても価格も異なることでしょう。

海外不動産で日本人の購入が多いエリアは日系の不動産屋もあるかと思います。実勢価格について不動産業者に相談してみるのも1つの手段です。

海外不動産と日本不動産

海外不動産と日本の不動産を比較した場合、評価額の算出では日本の不動産の方が有利となる可能性が高いです。日本の場合、路線価に基づき評価されるため実際の取引価格の7割前後になることが多く評価額も低めとなっています。

一方海外不動産は実勢価格での評価となります。相続等で評価する段階なので購入時より高い評価額になることも少なくありません。日本でも不動産の価値が上がることはありますが、海外の場合例えばタイ首都バンコクは年に4%ほど地価が上昇しており実勢価格も日々上がっています。このように地価上昇が激しいエリアは実勢価格についても高値になることがあります。

海外不動産投資はこうしたデメリットがありますが、一方メリットもあります。メリットは減価償却費の計上です。海外不動産の評価は日本と異なり土地よりも建物評価額の方が高い場合も多くあります。

例えばアメリカです。アメリカは土地と建物でおおよそ2対8の割となっています。また中古物件についても日本のように価格が下がりません。中古物件の購入の場合、減価償却費の計上でさらにメリットがあります。この点も節税に役立てることが可能です。

結果的にどちらがメリットがあるかは不動産の所有状況によって異なります。海外不動産投資については減価償却費の計上で大幅な節税が可能でありこのことを指摘する声も上がっています。現段階では減価償却費を節税に活用できますが近い将来改正が行われる可能性もあります。

まとめ

海外不動産投資ですが短期決戦で投資するケースも少なくありません。東南アジアでは高級コンドミニアムの建設が相次いでいます。また地価が年々上昇しているところも多く、コンドミニアムも収益を上げやすい売却路線で検討するケースが多くみられます。海外の不動産は中古物件もそこまで価格が下落しないところが多く、地価が上がると購入時より高値で取引されるケースもあります。

海外不動産の相続についても今後は増加傾向の見込みですが日本の法律から考えると相続前に売却した方がメリットがある場合も少なくありません。どの様に出口を設定するかをよく検討していきたいところです。